「しんどい」方を選べ?

 どちらか迷ったら「しんどい」方を選べ…という教訓を語りたがる人が居た。
 その人自身が「そうして生きて来たのだ」と言いたいのだろうが、元々、言行一致していないことを恥じるような人物ではないので、敢えて「しんどい」方を選んで生きて来たようには見えなかった。
 
 その人は、風の当たらない・火の粉の罹らない場所を確保することに長けていた。
 その人は、決して、自分の否を認め、それを詫びることはしなかった。そうすることは自分の立場が不利になる(負けだ)と考えていたので、そういう時は、ひたすら沈黙して相手の寛大さが発揮されるのを待っていた。
 その人は、逃げ道を作ることにも長けていた。自ら火中の栗を拾うことはせず、必ず、責任を負わせるスケープゴートを持っていたし、言い訳にすべき、やむを得ない状況を作った上で、事に当たっていた。
 その人は、発言する時、殆ど自ら口火を切ることが無かった。とにかく墓穴を掘らないように用心して、常に相手の出方を待ち、相手の顔色を窺っていた。
 その人を最後に見た時、責任は負わないで、それなりに収入を得られる場所を確保して、それで何が悪いのか?という表情をしていた。それも、人の生き方…

今日の一言…「不合理が通れば、皆、自己の損得勘定に走る」


以上